CEO Interview

経営者インタビュー

社会福祉法人敬寿記念会

奥井清美さん

企業情報

社会福祉法人敬寿記念会 特別養護老人ホームふれあいの郷「もくせい」

少子高齢化が進む日本で、またそれぞれの地域の中では、高齢者の方へのケア・いきいきと過ごす環境づくりは課題の一つであったり、そこにやりがいを感じる人にとって選択を考える仕事の一つかもしれません。方丹波市の中でも山深い土地・青垣に働く方達の環境づくりをとても真摯に考えておられる特別養護老人ホームがあると聞き、「ふれあいの郷もくせい」さんへお話をうかがってきました。

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・残業ゼロ・腰痛ゼロ・ストレスゼロ。「ふれあいケア」を掲げる施設の考え方とは?

・職員さんの腰痛改善の為に導入したロボット。利用者中心の考え方は、職員さんの健康から。

・近所のおじいちゃんおばあちゃんのよう。利用者と「ぬくもり」のある関係の職場。

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本日は施設長の奥井さんにお話をうかがってきました。施設長自身も、この丹波市で生まれ、同じ兵庫県の西宮・宝塚に住み、都市部でのお仕事を経験されたあと、生まれた地に戻ってこられたUターンの経歴をお持ちです。

現場を経験したからこそわかる、職員さんが働きやすい環境づくり。

施設長は、西宮や宝塚でも、同じお仕事をされていたのでしょうか?

私は阪神電鉄につとめてたんです。高校時代放送部で、成績も賞をもらったりしたんで、そういう事も役立つというか関連の仕事したいなと思っていて、たまたまなんですけれども、甲子園球場でウグイス嬢7年間していて。ちょっとかわりだねでしょ?笑

帰ってからは町役場に働きに行ってて、その時ここができるって聞いて、オープニングスタッフというか、準備段階から関わらせてもらって。青垣町で初めてできる施設。やりがいがあるんじゃないかなって思って。平成3年からです。25・6年目になります。

施設長になられたのはいつ頃でしょう?

4年目です。事務長時代が長くて、10数年してましたね。平成16年から事務長になったんです。事務長から施設長になって、仕事の中身が大きく変ったことはないですが。最初働きだした頃は、まさか私が施設長になるとは思ってもいなかったですね。

今日一緒に施設を見学させてもらって、とてもスタッフさんと信頼関係があるようにみえました。よく職員さんとはお話をされるんですか?

そうですね。現場大好きですから。(笑)やっぱり、ここを一番よく知ってるということと、職員目線というか、私自身現場で働いていましたので。一番最初オープニングの時は、労基関係の仕事とか手続きとかをしながら、デイサービスの現場の仕事もして送迎にも出てましたし。そういう時も楽しかったです。

今のスタッフさん、みんな素晴らしいですからね、私はとてもじゃないけど追いつかないんです。でも例えば感染症とかが入ったらね、人手が足りなくなったりするんでね、その時は「私で間に合うこと何かありますか?」って言って掃除にはいったりして、現場に入ります。

現場で働いておられたからこそ、現場の職員さんの気持ちを感じられるという事でしょうか。残業ゼロ・腰痛ゼロ・ストレスゼロ。なかなか簡単にできる取り組みじゃないなと感じます。

ですかね?(笑)どうでしょうか。

私自身ももくせいではじめて福祉に携わる様になりました、知識もなく入ったんですが、離床に行ったときに大きなぎっくり腰になってしまって、動けなくなってしまって。恥ずかしながらストレッチャーで運ばれていったんですよ。

それで、健康診断の時の検診結果があまりにも、腰痛のところにチェックが入っている職員が多かったので、これはほんと何とかしないといけないなと。

離床時に使うリフト。利用者さんにとっても抱きかかえられているような安心感が得られる様設計されているそうで、職員さんも腰痛を患ってしまって働きたくても働けない状況を心配しなくて良くて良いですとお話をしてくださいました。

力を入れる補助をしてくれ、腰痛を軽減できるマッスルスーツ。写真撮りの為に協力を頂いた利用者さんが、とてもにこやかにお願いに応じてくれていた事も印象的でした。

残業ゼロに、というのもご自身の経験からでしょうか?

そうですね、それは一般的にも今問題視されていますし、福祉の現場というのは利用者に合わせた動きをするので、遅くなる事ももあります。

やっぱり長続きをしてもらわないと、育った職員、力のある職員がリタイアされたら、これは施設として大きな損になりますので。長く続けてもらおうと思うと働きやすい環境を作らないと。働きやすい環境っていうのは職員自ら作れないから、私を中心として施設あげて作り上げないといけないので、約2年半ほど前から、毎月その会議はやってますが、絵に描いたようには進みません。

 

大きな天窓がある、平成27年に新設されたユニットの外観と、館内の写真。利用者の方々にとっても、職員さんにとっても働きやすい環境づくりを意識されている事が伝わってきます。

様々な業務改善の取り組み。人材を育て、施設を良くしていく。

業務改善で職員さんから楽になったよって声が聞こえてくると、やっぱり嬉しいですか?

やっぱり嬉しいですね。残業ゼロ以外にも、仮眠時間の捻出ということで、現場の主任課長が見直しをかけてくれて、一時間半きっちり仮眠がとれるようになりました。そういった声も、届いてくれます。

実際に働かれている方の、勤務時間はどのくらいでしょうか?

一応8時間勤務なんです。8:30〜17:30まで。ですけれども、利用者の生活を支えるために早出があり遅出がありと細かに分けてます。

夜勤は二交代制っていって5時15分に入ってもらって、翌朝の9:15分までが勤務してもらって、これで二日勤務したことになるという勤務なんです。

他の施設さんでは、3交代という形態を取られているところが多いんです。夜中に来て明け方に帰る。その代わり9時間拘束、日勤と同じように仮眠など何もなく動いてもらうという勤務形態なんですけれども、うちは理事長が仮眠もある今の形態の方がこのへんは雪も降りますし、夜中に出勤してこいの、帰れの、その安全を私たちが確認することもできないので、今までどおりの二交代制でいこうという、理事長の考え方で進んでいます。

施設長としては、どんな方がこのお仕事に向いてると思われますか?

そうですね。対人サービスですから、明るい人ですね。プラス、利用者の事を我が事の様に思える人かな。

資格などは必要ですか?

現場の職員さんは、介護福祉士があればよりいいのですけれども、なくてもこちらで指導させてもらって3年勤務して、実務者研修に行ってもらうと、国家資格の受験資格が得れますので、試験に臨んでもらうと。

介護福祉士をとれば、資格手当で一ヶ月2万円の手当がでますんで。これは大きいかなと思っています。

ふれあいの郷もくせいには、看護・介護・管理課3つの課があり、それぞれに課長がいらっしゃいます。お忙しい中ではありますが、介護課長に少しお話をお聞きできました。実際にお仕事を始められる時、介護課では新人一人につき2人の指導者がつく育成システムが構築されているそうです。そこにチームとしてのサポートも加わり、まずは精神面でリラックスして一緒に仕事に臨めるような、心の動きを非常に大切にされているとお話くださいました。

最初は利用者の顔も名前も、仕事の内容も、本当に覚える事が多い仕事だと思っています。そこに、頭もついていかない、心もついていかないでは、やっぱりしんどくなってしまうんですね。

辛い時期ってみんな経験してるじゃないですか?自分がどう声をかけてもらったら気持ちが楽になるか、なったかを考えながら、緊張や辛さをほぐせるような存在でありたいとは思っているんです。

人としての本質が前面に出る仕事。課長はそう言ってお話をしてくださいました。

悪いところばかりを見るより、良いところの部分を強みとして引き出して力をつけていって欲しいと思っています。自分の弱いところもコントロールしながら、7割くらいのところまではみんなでできる仕事の力をつけて、あとの3割は得意な事を伸ばしていって欲しいなと。

そうして、あなたという仲間と一緒に、仕事をしていきましょう、高齢者支援に携わって行きましょう、と。

ふれあいの郷もくせいでは、一度何らかの理由で退職したものの、またここで働きたいと戻って来られた職員さんも複数おられるそうです。課長もそのお一人。お父さんの介護の為に一度は施設を離れたものの、また働きに戻ってこられたそうです。

他にも育児のために離職される方もいらっしゃいますが、そういった方たちにも、子育ての時間に合わせて短時間でも働ける勤務体系を相談をして、いずれまた、子育てが落ち着いてから仕事に復帰する事を考えてもらう事もあるそうです。

新設されたユニットの方では、会議の最中でした。ユニットの施設は個室のため、個別で働く時間が長いそうですが、お昼には集まって、みなさんでお話をされるそうです。主任をはじめ、みなさんとてもリラックスされて、温かさを感じる様子が印象的でした。

主任に少しだけお話を聞いたところ、課長と同じように新しくお勤めに来られた方には心の面でリラックスして働いてもらえるように気遣われているそうです。主任自身、学校を出てすぐに就職し、すごく大事に育ってもらったとお話をしてくださいました。仕事の話だけでなく、前職の話や子どもさんの話、たわいのない話をする事でチームがまとまっているんだなと少しだけお話を聞いただけですが、そんな風に感じました。

みなさんにお話を聞いていて感じたのは、職員の皆さんは主任や課長に、そして施設長に。本当に近い存在のように相談しながら、皆さんで一丸となって介護の現場に取り組んでおられる事でした。また施設長は課長や主任のことを本当に頼りにされていて、その関係性が施設全体を温かい和で繋いでいる様に見えました。

施設の利用者さんとの距離。近所のおじいちゃん・おばあちゃんのよう。

鳥取から神戸で看護師として働いていた足立理恵さんは、神戸でご結婚された旦那さんの実家である丹波に一緒に引っ越して来られました。インタビュー当時・まだ働き出してほとんど日が経っていない足立さんでしたが、都市部での生活と仕事の違いを教えてくれました。

丹波に引っ越してくる、不安もやっぱりありましたか?

それはありましたね。山が多くて、どこでも車で行かなきゃいけなくて、ペーパードライバーなので、どうしよう、って思っていました。あと虫が多いのが。。笑

実際は来て生活面・お仕事面どちらもですが、どう思われましたか?

実際に来て、のどかで人があたたかいので今は良かったなって思ってます。

今はまだ来たばっかりなので、迷惑かけてばっかりですが、利用者の方々もいい人ばかりで。それに、働いているスタッフさんたちが明るい方が多いです。

こっちは本当に近所のおじいちゃん、おばあちゃんという感じがすごい。優しいですね。大げさかもしれないけれど「ぬくもり」のっていう印象があって。お部屋で休んでらっしゃる利用者さんはほとんどいないくらいで。

レクリエーションにはたくさんの利用者の方々が参加されていました。それぞれ個室はありますが、みなさんほとんど部屋におらずに外に出て、お話を楽しんだり、遊んでいたりしてる姿が印象的でした。

神戸で働いていた時は大阪の梅田とかの方へ実習とかも行ってたんですけども。その施設は本当に「利用者さん」という感じで、食事とかも「はい、はい」って運ばれてくるだけ、とかそんな感じだったんですけれど。

ここでは利用者さんを下の名前で呼んだりしながら、それってすごくあったかいなあって。

 

職員の方々にとって働きやすい環境づくりを。言葉では簡単に聞こえますが、実際どれほど真剣に取り組まれているかはインタビューするまでイメージもつきませんでした。ですが、お話を聞けば聞くほど、職員さんの働きやすい環境づくりを本当に真摯に考えておられる理事長・そして奥井施設長をはじめたみなさんの話を聞く事ができました。

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