どんな社会人めざす?高校生×地元で働く先輩社員 CROSS TALK座談会

丹波市は、進路選択を控えた高校生に、様々な働き方やライフスタイルについて知ってもらおうと、地元企業で活躍する先輩社員と高校生によるクロストーク座談会を開催しました。社会人として働く先輩社員から、職場を決めた経緯や経験談を聞き、高校生が自分たちの将来を考えるきっかけになるような意見交換の場となりました。その座談会の様子をお届けします!

【出席者】

〈社会人〉
元田 楓希 住友ゴム工業市島工場(市島町)
平井 敦樹 メルコパワーデバイス氷上工場(氷上町)
細見  星 みつみ福祉会(春日町)
杉尾寿々音 大地農園(山南町)
藤田 雅也 ハイレックスコーポレーション柏原工場(柏原町)

〈高校生〉
有田 壮汰(氷上高校2年)
宮部 美涼(氷上高校2年)
永井 弘愛(氷上高校2年)
芦田 渉真(氷上西高校2年)
芦田 涼真(氷上西高校2年)
長澤 蓮夢(篠山産業高校2年)
森奥 彩斗(篠山産業高校2年)
大前 栞那(篠山産業高校2年)

〈ファシリテーター〉
芦田 安生(丹波新聞社 編集長)

就職先、どう決めた?

―将来の社会人生活について、『あまりイメージが湧かない』という声がありますが、先輩たちは、ご自身が就職を決めるときはどうでしたか。

「私はまず、求人票で休暇制度を確認し、次に給料やボーナスを見ましたね。特にボーナスの条件が決め手になって、今の会社に興味を持ちました。そこから、インターンシップに行ってみて入社を決めました。」

 

「部活に打ち込んでいたから、就職活動に費やす時間が限られていました。なので、福利厚生や有休制度などについて親にアドバイスをもらいながら就職先を決めました。」

 

「私は看護師になりたいという夢があったので、高校で看護をはじめ介護や障がい者福祉のことを勉強しました。進学するか、就職するかいろいろ迷いましたが、障がい者施設に就職して経験を積むことに決めました。最初は「続けられるかな」と悩むこともありましたが、今では仕事が楽しいです。」

 

「私の場合は、仕事内容が自分に合っているかどうかを最優先に考えました。そのうえで、やりがいを持てる仕事だと思ったのが、今の仕事に決めた理由の一つです。」

決め手は、やりがい?お給料?

―高校生のみんなは仕事を決めるのは、「給料」か「やりがい」か、どう考えていますか。

「私はお金をいっぱいもらっても、自分が楽しくなかったり、興味を持てない仕事だと続かないと思います。だから、まずは自分がやりがいを感じる方がいいですね。」

 

「私は収入面を優先したいです。よさこいダンスをしていて、衣装代にお金がかかるので、それは自分で払いたいのと、家に少しでもお金を入れられればと思っています。趣味にもお金を使いたいです!」

 

―『趣味にもお金を使いたい』という声がありましたが、先輩たちのプライベートはどんな様子でしょう。

「趣味にはすごくお金をかけています。愛車をカスタムすることが好きなので、これまでにけっこうな額を使っています。奥さんには怒られていますが(笑)。」

 

「私は会社の先輩に誘われたことがきっかけで釣りを始めました。社会人になったらいろんな趣味を持つ方に出会えるので、やってみたいなと思ったことを会社の人と一緒に楽しめるのも良いことですよ!」

 

―高校生からは『社会人は上下関係が厳しそう』という声もありますが。


「入社当初は、先輩って怖いんじゃないかなと緊張しましたが、今は先輩たちが優し過ぎると感じるぐらいです(笑)。私は結婚して子どももいるんですけど、子どものことを気にかけてもらって、「早く帰りなよ」って声をかけていただいたり。人間関係には困っていませんよ。」

 


「私なんかは、思わずタメ口で話しかけてしまったりしますが、許してくれるような先輩たちばかりです(笑)。一緒に仕事をして、ご飯を食べに行ったり、飲みに連れていったりしながら、どんどん親しくなっていきました。本当に優しい方ばかりです!」


先輩社員たちの話を真剣に聞く高校生たち

夜勤や残業はどう?教えて先輩!


「細見さんにお聞きしたいのですが、福祉の仕事は忙しいと聞いたことがあります。夜勤とかはありますか?」

 


「夜勤もありますよ!私の職場では、夜勤の後には「明け」という休みが付きます。通常の休日にその「明け」をプラスして遊びに行ったりとか、家族で出かけたりして有効活用しています。人それぞれ考え方は違うと思いますが、私の場合、夜勤があることはメリットになっていますね。」

 

―夜勤の話が出ましたが、残業などを含めて、皆さんの会社の状況はいかがですか。

 


「うちの会社も3交代制になっていて夜勤があります。製造現場の業務では残業が多いですが、自分のような間接業務の部署では、残業があっても月に10時間ほどですよ。」

 


「うちの会社も、月初は忙しくて仕事量が多くなります。みんなができるだけ早く帰れるようにするため、均等に仕事を振り分けるように取り組んでいます。」

 


「私の工場も3交代で仕事をしています。私は製造担当なので残業時間が多いですが、できるだけ減らそうとしています。中には収入面でゆとりを持ちたいという理由もあって、残業をネガティブに捉えていない人もいますよ。」

 


「私が入社した頃は、有給休暇を取りづらい雰囲気があったけれど、最近は有給休暇を取りやすい環境になってきています。夜勤手当や残業手当とかは収入の重要な部分でもあるので、残業や夜勤が無くなればいいというばかりではないですね。」

丹波市で働く?高校生の本音!

―高校生の皆さんは、どこで働きたいとか、そんなことは考えていますか。


「兄たちが丹波市内で就職しているというのもあるし、実家だと何かと安心なので、いきなり一人暮らしをしながら働くのはちょっと難しいかなと考えています。」

 


「私も地元の丹波市で働きたいです。生まれ育った所だから、働きやすいんじゃないかなと思います。」

 


「私も地元で働こうと思っています。まだ一人暮らしができる自信はないです。」

 

―市外で働きたいという人はいますか。


「一度、地元を離れるのもいいかなと思っています。都会に出て新しく学ぶこともあるだろうし、もし、自分に合わなかったらまた帰ってくればいいかなと思っています。自分がしたいことをするのが一番だと思っているので、仕事内容などを見つつ決めていこうかなと考えています。」

 


「私は地元を出ようと思っています。いろんな所に出てみて、それでも自分に合わないなとなったら、戻ってくるか、他の選択肢も考えたいです。親も、地元にこだわるよりも、外に出て広く学んでほしいと考えてくれているみたいです。小さい頃からものづくりが好きなので、製造の仕事に就きたいという思いはあります。」

 


「今は特にこだわりはなくて、3年生になって就職活動を積極的に始めてから、じっくり考えようと思っています。」

働く場所、先輩はどう考えた?

―働く場所などについて、先輩たちはどう考えましたか。


「周りの同級生が大学や専門学校へ行って、いろんなことに挑戦している姿を見ると、憧れも感じました。だから今、進路に悩んでいる人は、先生に相談したり、大学のキャンパスにも行ってみたり、どんなことができるかを知ってみるのも良いかと思いますよ。」

 


「私は地元で働きたい気持ちが強かったので、自然と地元の求人を探しました。同級生の学生生活を見ると、刺激を受けることもありますが、都会で働きたいかって言われると、そうでもないです。週末に遊びに行くくらいで十分楽しめています!」

 


「大学卒業後、地元の金融機関で4年半働き、昨年、今の職場に転職しました。私は地元の丹波市が大好きで、この地域に貢献したいという思いが一番大きかったです。」

まずはチャレンジ!選択肢はいくらでも!

―高校生たちがこれから就職先を決めるにあたり、先輩たちからアドバイスをお願いします。


「まずは『何がしたいか』だと思います。私は福祉の仕事が大変だと言われているのも分かったうえで入社したので、実際にやってみると苦ではありませんでした。利用者の方が亡くなられることもあり、その別れは辛いですが、この人の介護に関われたことが良かったなと思えて、次のステップへの励みになっています!」

 


「したいこと、やりたいことが見つかっていない人も多いと思いますが、若いし挑戦するチャンスはいっぱいある!給料が高いとか、CMで見たことがあるとか、きっかけはなんでも大丈夫です。会社に入ってみないと分からないことはいっぱいあります。その中で自分に合う仕事を見つけていくのも良いのかなと思います。最近は転職も当たり前になっていますし、とりあえず入ってみるという選択肢もありですよ!」

 


「私は大卒で転職経験もありますが、仕事選びで一番大事だと思うのは、残業や給料など、そういう自分の希望条件に加えて、自分の長所を生かせる仕事を探すのが良いと思いますね!」

 


「自分が本当にやりたいと思える仕事に出会えることが理想ですが、それは簡単なことじゃありません。視野を広げていろんな可能性を考えてみることが大事だと思います!」

 


「『就職してみて合わなかったら転職を考える』で良いと思います。今、自分が何をやりたいかなんて分からないと思います。私の友だちに、1級建築士の資格を取ろうと頑張っている人がいます。その友だちが通う学校には、飛行機の元パイロットだった方も通っていて、『新しい自分の可能性を広げたくて』と話されていたそうです。結局、自分が心から『これがいい』っていう仕事は見つかりにくい。だから、いろいろ経験してみたら良いと思います!」

先輩社員と高校生の皆さま、貴重な経験談や素朴な疑問など、いろいろとお話いただき、ありがとうござました!