丹波市では、日常生活に車は欠かせません。そんな市民の毎日を支える車屋さん、株式会社オートショップタカスギさんにお話を聞きに行ってきました。
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・2代目社長は物腰も柔らか。お客様とも従業員とも近い距離で仕事をしていく環境
・車検は自社工場で全て完結。もっとお客様に喜ばれるお店を目指して躍進中
・顧客満足度も、従業員満足度もどちらも大切に。社長の整備士にかける想いとは
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今回お話をお伺いしたのは代表取締役の高杉裕満さんです。
創業はいつになりますか?
父の代から事業をスタートし、今年で創業48年を迎えました。
当時は、これから車の需要が増えていく時代と言われていましたので、これからの事業を作るつもりで立ち上げました。
立ち上げるにあたって、必要な車の知識は他社で修行し習得したと聞いております。
立ち上げ当初は何人で始められたのでしょうか?
父と、当初から勤めていた従業員の小川の2人で始めたそうです。
現在、お父様は?
私に会社の代表を譲りまして。現在父は、会長として会社に携わってもらっています。
高杉さんが会社を継がれてどれくらいですか?
今年の9月で3年になりますね。
私が30歳くらいの時から、少しづつ父から仕事を任せられるようになり、気がつけば会社の運営自体も私がするようになりました。事業継承が非常にスムーズに「気がつけば社長になっていた。」っと言ったところでしょうか(笑)
また、父も35歳の時からやっていましたし、以前から「35歳になったら社長を譲る。」と言われていましたから。実際はその心構えは出来ていましたね。
なるほど。気力・体力が充実している30歳の時期に事業継承をされたのですね。社長になられて丸3年ということですが、やりがいもあったり、また一方で経営の大変さも見え、正に脂が乗りきっていますね。
いえいえ、まだ乗りきってないですよ(笑)
全然、これからだと思います(笑)
丹波市は、車関連のお店が120ほどあるという事ですが、ここまでの規模は他地域と比べてもなかなかないですよね。
そうですね。市内の人口密度で考えると恐らく兵庫県下でもトップクラスの車屋の数になると思います。
そうなると、市内では競合が多い状況だと思いますが、車屋さんを運営していく上で、どういった展開を考えていますか?
年中無休でいつでも対応できる体制を作っているということ、さらに車の販売や検査でも、自社工場でワンストップで提供できるという強みを活かしています。
実は、去年までは指定工場ではなかったんですね。車検の工程全てを受け切れる訳ではなかったんです。
指定工場とは???
以前から、全般的な車の状態をチェックしたりという検査はそれまでも提供していたのですが、最後の完成検査までは対応できませんでした。例えばテスターや計測機械を使って保安基準への適合を確認したりする検査工程ですね。ですので、それは車検場まで持ち込んで検査を受けていました。
でも、お客様の利便性を考えると自社工場で一括して対応できる体制にしたいと思い、去年の春から講習・試験を受け、指定工場の認定に向けて準備を始めました。去年1年がかりで設備も揃えて…と準備にずっと動いていました。
現在は念願の指定工場の認可を取ることができ、いつでも、どういう時でも車検の対応が出来るようにしておかなくてはと思っています。
指定工場を取る事は、お客様にとっても同じく、手間が省けて便利ということですね?
そうですね。
自社で全て完結出来るというメリットを活かして、車検について提供できるメニューも増やすことができますし、様々な戦略が取りやすくなります。これからは多角的に動かなければならなくなってくるし、会社の組織作りを進めていく必要もありますから、そうした団結力は大切だと実感しています。
指定工場を持った車屋さんは、丹波市内では何社くらいありますか?
市内全域となると、正確な数字は分かりませんが、ここ山南町であれば14社ある中で4社が指定工場を持っています。指定を受けるには、中の従業員の数や、施設の広さなども条件に関わってきますので。
直近の課題はなんですか?
やっぱり求人ですね。
それも整備士の方に来てほしいと思っています。理想で言えば、35歳まで。もしくは60歳以上の、自動車業界の経験が長い方も歓迎します。
どういった人に来てほしいと思いますか?
とにかく明るく元気で素直でやる気のある方が良いと思っています。
現時点で車関係の資格がなくても構いません。現に、今働いている26歳の若い子も採用時には資格は持っていなかったし、そもそも全然違う業界からの転職ですけど、十分キャッチアップできていますよ。
「オートショップタカスギの整備士」として働く魅力は?
父の代から一緒に会社を盛り立てて来た方を除けば、今、最長でもまだ働いて3年経ってない子ばかりなんですね。
ちょうど今年で丸1年の子と、2年ちょっとの子と、丸2年くらいの子と。事務員さんも2年経っていなかったり。私も3年経ってないですし、みんなそんな感じで若いスタッフが多いので、若い方も働きやすい職場になっているんじゃないかと思います。
確かに若い方が多いですね。仕事しながらも、色んな提案や仕事を、社長と会社全体で一緒になってできそうに感じます。
そうだと思います。
もちろん、会社の運営方針など基本的なことは私が決めていかなければいけませんが、やっぱりみんなで作っていけるところはそうしていきたいと思っています。だから意見もどんどん聞いて、受け入れています。
なるほど。田舎で働くメリットは社長さんとの距離感が近いというのがありますしね。
大手企業とは違ってお客さんとの距離感もより近いところで仕事をしています。むしろ、近くないといけないとも思っています。
確かに、お客様と近い距離で仕事をしていると、何のために、誰の為に整備しているのかがよく見えますものね。
そうそう、そうなんです。
だから、整備士だからって、車の整備だけしていれば良い時代ではなくなってきていますし、それ以上にお客様から「ありがとう」と感謝されることがあればやっぱり嬉しいですしね。お客さんとの関わりが大きいなと思います。
そう言えば、営業の方がいらっしゃいませんね。社長自ら営業に行かれるんですか?
現在、営業はいません。こちらから直接お伺いするのではなくて、電話や来店などでお客様からお話をいただくことがほとんどです。それに、お客様に顔を覚えていただきたいということもあるので、最後の説明まで整備作業を行った人間が担当する形を取っています。
働きやすい職場環境が揃っている印象がありますが、何かそういった企業努力はありますか?
仕事の仕方を考えた時に、やっぱりお客様から感謝されて、お金がもらえて、会社が儲かった分を社員に還元していく、という基本的な形、会社の在り方というのを大切にしていきたいと思っています。
それに、車の整備士はもともと一般的な評価ってあまり高くない状況があります。車が必要とされる限り整備士の存在もとても大切になってきます。そうした今の業界の常識は今後変えていきたいと思っています。
これは、仕事始めの挨拶の時にも伝えているのですが、我々は、顧客満足度と、従業員満足度のどちらも追いかけていますと、どちらかでも欠けてしまったら会社として成り立たないといった話をしています。
なるほど。整備士の給料水準を上げていきたいということですよね。しっかりと売り上げを上げて還元していく、まずは整備士の給与の安定、保障をしっかりとしていきたいということでしょうか?
そうですね。そこは必要条件かなと思います。
例えば十分な売上が達成できればボーナスといった形で還元するといった形ですね。
元々、高校では野球部で厳しい縦社会を経験してきた高杉さん。
だからこそ、会社を1つのチームとして捉え、社員に対する配慮を忘れない頼れるリーダーの風格が備わっているのだと感じました。
今後も、整備士の仕事は重要であることに変わりはありません。これからのオートショップタカスギさんを一緒に作っていく仲間として、あなたも求人に応募してみませんか。